歯についてのコラム
歯髄とは何?
平成21年12月11日
投稿者:一般社団法人 苫小牧歯科医師会
歯髄とは何?
歯は一見、石の塊のように見えますが、実は歯の中は空洞になっていて、そこには歯髄(いわゆる神経)が入っています。この神経は、歯にとって重要な役割を果たしています。神経は、歯に栄養を運んでいて、このおかげで歯は生きていくことができるのです。神経があることによって、冷たいものが染みるなど、虫歯の進行を初期の段階で自覚することができ、早めに虫歯を発見することができます。
しかし神経がなくなると、こうした症状があまりなくなるので、定期的な歯の検診が必要になります。
また神経には、歯の中に虫歯の菌が入ろうとすると、進入路をふさいだり、歯の象牙質を修復するなどの防御作用もあります。従って、歯が長い間正常な機能を営むためには、神経のあることが大切なのです。神経のある歯が、神経のない歯よりも、寿命が長いことが証明されています。しかし、虫歯が進行してしまうと、この大事な神経も取らなくてはいけなくなります。神経を取るためには、麻酔の注射をし、針のような器具で神経をかき出します。このため一時的に、その歯の周りが炎症を起こして痛くなることがありますが、これはしばらくすると治ってきますから、そんなに心配することはありません。
また、口の中の状態は、長い間にはいろいろと変化してきます。周りの歯が抜けたり、虫歯ができることによって、かみ合せが変わってきます。歯茎の病気にかかることもあります。そうなると神経を取ってしまった歯は、防御力が弱くなっているので痛くなってくることもあります。その時は、その口の中の状態に合わせて適切な処置を行わければならなくなります。(文・一般社団法人 苫小牧歯科医師会広報担当理事 吉住彰朗、イラスト・苫小牧歯科衛生士会 姉崎舞)