一般社団法人 苫小牧歯科医師会

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歯についてのコラム


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8020運動

平成21年11月27日

投稿者:一般社団法人 苫小牧歯科医師会

8020運動

日本は近年、欧米先進国に類を見ないスピードで高齢化が進んでいます。平均寿命が80歳を越え、今や世界一の長寿国となり、お年寄りが増えています。そのお年寄りの方々に「今、何を望んでいるか」というアンケートを取ったところ「おいしく食べることと、楽しく話をすること」が最も多い答えでした。

この答えを実現するためには、健康な歯が不可欠なのです。というのは、歯の役目には①食物をかむ②正しい発音③顔やあごの発育を助ける④顔の形を整える⑤その他(がん、認知症、肥満などの予防)-などの働きがあるからです。

そこで歯科医師会と厚生労働省では「80歳になっても20本の自分の歯を保つ」ことを目標にした「8020運動」を提唱しています。なぜ20本かといいますと、歯が20本あればほとんどの食べ物がおいしくかめて、食生活が豊かになるからです。これより少なくなるとかめない食べ物が多くなってしまいます。

しかし、現状では50歳前後より歯を失う確立が非常に高くなっています。成人の歯の数が本来28本(親知らずを除く)なのに対して、60歳で15本、70歳で8本、80歳で5本ほどしか残っていないことが統計で明らかになっています。これでは、いくら長生きしても快適な生活は送れません。

「8020運動」を実践するには、子供のころから疾病の予防、健康づくりを行って良い習慣を身に付けることが肝要です。よく清掃し、手入れをして、しっかり予防をしてあげれば、歯は人間より長生きするのです。人間が生きていく上で、健康がすべてとはいえませんが、健康なくして幸せとはいえません。(文・一般社団法人 苫小牧歯科医師会広報担当理事 吉住彰朗、イラスト・苫小牧歯科衛生士会 姉崎舞)