一般社団法人 苫小牧歯科医師会

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歯についてのコラム


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歯は生きている

平成21年3月13日

投稿者:一般社団法人 苫小牧歯科医師会

「歯は生きている」

歯は生きています。歯の内側は歯髄と呼ばれる組織によって生きていますし、歯の根の外側はセメント質と呼ばれる組織によって生きています。

口の中に見えるのは、歯の一番外側のエナメル質です。エナメル質はほとんど変化しないように見えますが、実は唾液(だえき)中のカルシウムやマグネシウムなどいろいろな成分との交代でダイナミックに変化しています。しかもエナメル質の内側にある象牙細管からエナメル質に向けて、組織液が流れています。この組織液の流れには一定の圧力があり、歯髄から始まりエナメル質まで通じています。

エナメル質に穴が開くと、一定の圧力に変化が起こり、象牙質のさらに内側の歯髄で痛みを感じます。この痛みは鋭い痛みです。ところが歯髄に炎症が起こり、強いダメージを受けると、痛みはあまり感じなくなります。痛みも鈍い痛みとなり、前より熱いものでズキズキしたり、かんだときに痛くなったりします。

こうなると、歯髄をのこしておくことはできません。歯髄を除去することになります。「歯の神経を抜く」とはこのことを言います。神経を抜いた歯は、セメント質を除いて死んだ歯と言ってもいいでしょう。知覚がなくなりますので、虫歯になったかどうかも分からなくなり、歯の寿命も短くなります。