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生活習慣病予備軍の肥満児増加

平成20年10月10日

投稿者:一般社団法人 苫小牧歯科医師会

生活習慣病予備軍の肥満児増加

肥満と生活習慣病との関係は広く知られ、生活習慣病予備軍とも言える肥満児の増加が社会問題になってきています。一般的に体重が四㌔増えると血圧が十五Hg上昇し、体重が10%増えると心臓への負担が30%増え、高血圧、心臓病、肝臓病などが発現するとされています。これは大人も小児も同じです。

また、肥満体型の子供はおっとりおとなしく見えます。これは太っているために動作が緩慢になり、頭脳に回る血液が少なくなって判断に時間がかかるためです。性格的にもほかの子に遅れを取ることから、引っ込み思案で小心でコンプレックスの強い性格になるという研究結果があります。

そして、毎春行っている学校検診では、肥満気味の子に虫歯が多いような気がしています。もちろん虫歯が多いと物をよくかまないで飲料水で流し込む、いわゆる早食いになってしまいます。ゆっくりよくかむと早く満腹感が得られ、食べ過ぎを抑え、肥満防止にもなります。

歯科の立場で肥満防止の方法を挙げると①食事はゆっくりとよくかむ一日二十回くらいかむと少量の食事で満腹感が得られ、食べ過ぎを抑え、肥満防止にもなります。歯科の立場で肥満防止の方法を挙げると①食事はゆっくりとよくかむ。一口二十回くらいかむと少量の食事で満腹感が得られます②よくかまないと飲み込めない繊維の多い食品を多く取り、早食いをやめる③よくかめるように虫歯や抜けたままの歯を治療する④間食の量や回数をできるだけ少なくする⑤脂肪、砂糖、食塩の多く含まれる菓子を制限する―などです。これらはそのまま虫歯の予防と同じである事にお気づきでしょうか?虫歯を治し、よくかめるようにすることも、ダイエットやエクササイズとともに肥満の解消法の一つなのです。(一般社団法人 苫小牧歯科医師会)高齢者口腔ケアに環境整備必要

前回、誤嚥性肺炎についてお話しましたが、口の中を清潔に保つことが大変重要な予防の基本です。今回はその予防法となる(口腔)ケアについてお話しましょう。

まず必要なのが環境整備です。具体的には洗面所へ移動しやすくなるように工夫する▽ベッドサイドでうがいができるようにする▽うがいができない場合は吸引機を用意する▽ベッドサイドに証明と鏡、歯磨きセットを用意する▽歯ブラシなどを使いやすい形に改良する―などが考えられます。

次に口腔ケアの基本ですが、口の中に食べものが残っている場合にはガーゼなどでぬぐう。歯茎の腫れ、虫歯や動いている歯がないか指で触ってみます。介護者が行う場合は対象者をやりやすい姿勢にします。歯と歯茎の境目に歯ブラシの毛先を入れ、かき出すように歯ブラシを動かします。コップの水で歯ブラシを洗いながら汚れの落ち具合を観察します。うがいができない場合は吸引機を利用します。半身まひがあって、仰臥(ぎょうが)位で行う場合はまひ側を上にします。舌の上にも汚れがたまりやすいので、歯ブラシや舌ブラシでこすり取ります。

なかなか口腔ケアをしっかり行うのは大変なことだと思います。しかし、七十五歳以上の死因第一位の肺炎を、この行為を行うことで、ある程度予防できますので、気長に行うことが肝要だと思います。(一般社団法人 苫小牧歯科医師会)=毎月第2、第4金曜日に掲載=