一般社団法人 苫小牧歯科医師会

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高齢者口腔ケアに環境整備必要

平成20年9月26日

投稿者:一般社団法人 苫小牧歯科医師会

高齢者口腔ケアに環境整備必要

前回、誤嚥性肺炎についてお話しましたが、口の中を清潔に保つことが大変重要な予防の基本です。今回はその予防法となる(口腔)ケアについてお話しましょう。

まず必要なのが環境整備です。具体的には洗面所へ移動しやすくなるように工夫する▽ベッドサイドでうがいができるようにする▽うがいができない場合は吸引機を用意する▽ベッドサイドに証明と鏡、歯磨きセットを用意する▽歯ブラシなどを使いやすい形に改良する―などが考えられます。

次に口腔ケアの基本ですが、口の中に食べものが残っている場合にはガーゼなどでぬぐう。歯茎の腫れ、虫歯や動いている歯がないか指で触ってみます。介護者が行う場合は対象者をやりやすい姿勢にします。歯と歯茎の境目に歯ブラシの毛先を入れ、かき出すように歯ブラシを動かします。コップの水で歯ブラシを洗いながら汚れの落ち具合を観察します。うがいができない場合は吸引機を利用します。半身まひがあって、仰臥(ぎょうが)位で行う場合はまひ側を上にします。舌の上にも汚れがたまりやすいので、歯ブラシや舌ブラシでこすり取ります。

なかなか口腔ケアをしっかり行うのは大変なことだと思います。しかし、七十五歳以上の死因第一位の肺炎を、この行為を行うことで、ある程度予防できますので、気長に行うことが肝要だと思います。(一般社団法人 苫小牧歯科医師会)=毎月第2、第4金曜日に掲載=