一般社団法人 苫小牧歯科医師会

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怖い誤嚥性肺炎 姿勢注意し体力を

平成20年8月22日

投稿者:一般社団法人 苫小牧歯科医師会

怖い誤嚥性肺炎 姿勢注意し体力を

皆さんは誤嚥性肺炎という病気をご存知でしょうか?

現在七十五歳以上の死因の一位は肺炎です。この肺炎は誤嚥性肺炎のまたは吸引性肺炎とも言われ、嚥下障害のために、口の中の細菌で汚れた唾液や食物を気管へ吸引してしまうことで起きる疾患です。特に、全身まひ患者さんに限らず意識障害のある患者さんや全身状態が著しく低下した患者さんにも見られます。

正常な人は気管に物が流れるとせき込むなどして食物を外に押し出しますが、せき込む力が弱かったり、たんを排出できなくなってくると肺で細菌が増え肺炎になってしまうのです。注意事項は次の通りです。1食事の姿勢に注意を払う2体力をつける3口腔ケアで口腔内を清潔にし細菌数を減らし誤嚥しても被害を最小限にとどめる。4食べた後、すぐ横にならない。5むせないから誤嚥していないとは限らない。せき反射が低下している場合がある。6むせるから経口摂取が無理とは限らない。

誤嚥性肺炎は、基礎疾患を持った全身状態の低下した患者さんによく発症します。いったん発症すると治療は困難で死亡率も高く、発症予防が大変重要です。介護者にもしっかり知識を持っていただくことが重要になるでしょう。次回は要介護者の口腔ケアについてお話します。(一般社団法人 苫小牧歯科医師会)=毎月第2、第4金曜日に掲載=