歯についてのコラム
「歯周病」ってどんな病気?
平成20年1月25日
投稿者:一般社団法人 苫小牧歯科医師会
「歯周病」ってどんな病気?
Q歯周病(歯槽膿漏=のうろう)はどんな病気ですか?
A歯周組織の炎症、つまり歯肉、歯槽骨、歯根膜、セメント質が細菌に感染し歯ぐきが腫れたり歯を支えている骨が無くなってしまう病気です。初期の歯肉炎から深部の組織まで炎症が進行した歯周炎を含めたものを総称して歯周病と呼びます。
Qなぜなるのですか?
A原因はプラーク(歯垢=しこう=)です。口の中にはびっくりするほど多くの細菌が存在し、その細菌から産生される毒素によって炎症が起こります。また、たばこや歯ぎしりなども歯周病を進行させる原因になります。
Qどんな症状がでますか?
A①歯ぐきが赤く腫れる②歯ブラシを使うと歯ぐきから時々血やうみがでる③歯と歯の間にすき間ができてきた④歯がぐらぐらする⑤口臭がする⑥歯ぐきが下がって歯が長く見える⑦虫歯がないのに歯が染みるーなどです。
Q予防法は?
A原因となるプラークを取ることが重要となります。つまり毎日行っている歯磨きが大変重要です。「磨いている」と「磨けている」というのは天と地くらいの差があります。「磨いている」人は国民の約97%だと言われています。しかし歯周病の患者さんが減らないのは「磨けている」人があまりに少ないと言うことになります。
具体的には鏡で口の中を見る習慣を付け、上記の症状がないか確認してください。そして特に汚れの多い歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間を歯ブラシの先を使って細かく磨いてください。歯ぐきに炎症があると最初のうちは血が出ますが、心配ありません。炎症部分に歯ブラシの先端が当たっているため出血していますが、状態が改善してくると出血は無くなります。その時、特に注意していただきたいことは力任せに磨かないということです。プラークは力任せに磨いても落ちません。力加減を自宅で簡単に確認する方法として、鉛筆で歯の表面に色を付け、その色が取れる力で磨くということです。それ以上の力は必要ありませんので注意してください。力が強すぎると歯ぐきに傷を付け、痛くて磨けないということになりかねません。
この方法は一般的な方法ですが、できれば一度歯科医院で自分のお口に適した歯磨き方法を指導してもらってください。歯周病はかなり進行しないと自分では分からない病気ですので、定期的に歯科医院でチェックしてもらうことをお勧めします。(一般社団法人 苫小牧歯科医師会)