一般社団法人 苫小牧歯科医師会

噛むカムはっぴー

歯についてのコラム


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よくかむということの意味

平成21年8月28日

投稿者:一般社団法人 苫小牧歯科医師会

よくかむということの意味

食べることは元気のもと。体に取り込まれた栄養がエネルギーに変わる。これは誰でも知っていることです。でも食べるだけでは元気は出ません。

その証拠にこんな話があります。米国のアポロ計画で、当初、宇宙飛行士たちはチューブから栄養を取っていました。「食べている」という満足感が得られず、ストレスがたまってしまったのです。今では、宇宙での食事もチューブ食から普通の食事になりました。かむという行為が精神面に影響を及ぼしているということが分かる話です。

また近年、歯周病やあごの骨の不十分な発達から起こる歯並びの悪い子供が急増しています。原因は柔らかい食物が多くなり、強くかむことが少なくなったことが考えられます。最近の研究によると、かむということの役割の第一は食物の消化吸収を助ける。第二にあごの関節の発達も含めて全身の発達を促進する。第三に美しさ。第4に発音が挙げられます。歯や発音に劣等感があると笑顔が曇り、人との会話も避けるようになってしまいます。

これでは、生き生きとした人生は送れません。第五は精神面。宇宙飛行士のエピソードにみられるように、かむこと無しに満足感は得られません。第6の役割は脳への影響です。かめばかむほど脳は発達し、かまないと脳の機能は低下する。そんな研究も報告されています。従ってかむことは健康のもと、生命力のもととも言えるのです。(文・一般社団法人 苫小牧歯科医師会広報担当理事 吉住彰朗、イラスト・苫小牧歯科衛生士会 姉崎舞)