一般社団法人 苫小牧歯科医師会

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学校検診

平成20年5月9日

投稿者:一般社団法人 苫小牧歯科医師会

「学校検診」歯科医院と学校、診断目的違う

新年度が始まると間もなく、小中学校や幼稚園で学校歯科検診が行われます。この結果と歯科医院での診断結果が異なり、戸惑いを感じたことはありませんか。「え?○本て書いてありますけど…」「こんなにあるんですか!」などという言葉をよくお聞きします。結果が異なる理由には、学校検診が「疾病を見つける場」から「疾病をになりそうな子を見つけ予防をする、健康を増進する場」へと変化してきたことが挙げられます。

学校は「教育の場」で「医療の場」ではないので、歯科医院で用いる確定診断名(C1、C2、C3、C4)を使わず、部位も特定しません。虫歯はすべてCと表記し、虫歯の兆候や危険性のある歯をCO(要観察菌)とすることになっています。つまり、歯科医院と学校検診では診断目的が違うのです。

また、多くの学童を座らせたまま、ペンライトのような小さな照明器具で診る検診では、近年多くなってきたといわゆる白い詰め物などは、あることがほとんど分からないと言った方がいいかもしれません。学校と歯科医院での診察には雲泥の差があるのです。

わたしたち歯科医師も「しっかり見なければ!」と検診に挑んでいますが、もしかすると虫歯の見落としなどをしているかもしれません。検診結果を信用してくださいとは言いませんが、すべてをうのみにせず「もしかしたら」という考えを頭の片隅に置いておくといいのかもしれません。(一般社団法人 苫小牧歯科医師会)=毎月第2、第4金曜日に掲載=